研究概要 |
平成13年度は佐賀県下3名の高齢助産婦の聞き取りを着手し、その内容の一部は平成14年日本家政学会九州支部大会で発表した。佐賀県の支部長Y助産婦の紹介により平成14年度は大分県支部長をたずね、聞き取り調査をさせていただいた。更に大分県は会員の名簿が作られておりA支部長より高齢助産婦を紹介していただいた。支部長よりの紹介ということもあって連絡を入れると全ての方が快く調査に応じてくださった。大分市A氏、別府市K氏,Y氏、玖珠郡Y氏,U氏,M氏,S氏、日田市A氏親娘,S氏,Y氏,K氏、竹田市Y氏、直入郡S氏,K氏、中津市S氏、下毛郡K氏、と計17名の助産婦に聞き取り調査を行うことが出来た。これらのことから、(1)大分県では数十名の高齢助産婦が現在でも助産所を開設し、おっぱい相談や育児相談を受け、地域活動をおこなっている。(2)親娘で助産婦として活躍し、助産院を開設しているところがある。(3)過去,地域の子供全員を取り上げている助産婦もいた。全て自分の身内の様に感じ、何かにつけ子供に声をかけるので、子供側もそうそう変なこともできないという。(4)別府市内にはいまでも助産院での出産を行っている。聞き取り調査中も、妊産婦が次々に訪れていた。助産婦に対して全面的に信頼をしている様子が伺えた。昨年から調査させていただいている佐賀の伊万里市の助産院も全く同じ状況であった。助産婦と妊産婦との信頼関係が出産の安心感に繋がると推察される。(5)高齢出産に関していえば心配する必要はないという助産婦が多いものの、危険性もあるという意見もあったので、詳しく聞き取っていきたい。以上のような結果である。大分市、津久見市等にまだ数名の高齢助産婦がおられるため今後も聞き取りを続行予定。また、宮崎県,沖縄県の支部長とも知り合うことが出来,話を伺う機会を得た。15年度は13、14年度に加え,これらの県の調査を広げていき、様々な点で深めたいと考えている。
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