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2002 年度 実績報告書

活性酸素共存下でのメイラード反応による新規変異原の生成と植物成分による生成抑制

研究課題

研究課題/領域番号 13680153
研究機関静岡県立大学

研究代表者

木苗 直秀  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (00046286)

研究分担者 増田 修一  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (40336657)
キーワード還元糖 / アミノ酸 / メイラード反応 / 変異原性 / 抗変異原性 / カテキン
研究概要

魚肉や獣肉の加熱過程で生成するヘテロサイクリックアミン(HCA)は、変異原性・がん原性を有する。それらの中のいくつかのHCAが、還元糖、アミノ酸、クレアチニンより生成することが明らかにされてきた。我々はin vitroで、且つ、生理的条件(37℃、pH7.4)において、グルコースとフェニルアラニン、クレアチニンのメイラード反応により、2-amino-1methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP)が、グルコースとグリシン、クレアチニンのメイラード反応により、2-amino-3,8-dimethylimidazo[4,5-f]guinoxalim(MeIQx)が生成することを明らかにした。この結果は、人の生体内においてもHCAが生成する可能性を示唆するものであった。そこで、同じモデル系におけるHCA生成量と生体内の変動因子の関連を調べるために、S. typhimurium TA98を用いてAmes試験を行い、さらにLC/MSによる定量を試みた。グルコース、グリシン、クレアチニンの系では、溶存酸素濃度が上昇すると変異原性が低下する傾向を示した。一方、鉄イオンの添加により変異原性が上昇し、MeIQxの生成量と変異原性の間に正の相関がみられたことから、メイラード反応が促進されたものと推察した。しかし、グルコース、フェニルアラニン、クレアチニンの系では、PhIPの生成量と変異原性との間に相関がみられず、同時に別の副反応が進行しているものと考えた。グルコース、クレアチニンの系にメチオニンやプロリンを添加してメイラード反応を行ったところ、さらに高い変異原性が認められたので、現在、それらの化学構造を解析している。なお、各反応系に緑茶抽出物またはカテキン類を添加したところ、PhIP, MeIQx等の変異原性物質の生成が有意に抑制することを明らかにした。これらの実験結果は生理的条件下で進行する変異・発がん物質の生成が食品成分で阻害されることを示しており、今後、動物実験なヒトにおいて、それらの現象が観察できるか否かを検討することは、日本人の死因の第一位を占めるがん予防の面からも極めて重要であると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Shimoi et al.: "Deglucuronidation of a flavonoid, luteolin monoglucuronide, during inflammation"Drug Metab. Dispos. 29(12). 1524-1524 (2001)

  • [文献書誌] K.Shimoi et al.: "Oxidative DNA damage induced by high glucose and its suppression in human umbilical vein endothelial cells"Mutat. Res.. 480-481,371-378 (2001)

  • [文献書誌] R.Nagai et al.: "Peroarynitrite induces formation of N(epsilon)-(carboxymethyl) lysine by the cleavage of Amadori product and generation of glucosone and glyoxal from glucose : novel pathways for protein modification by peroxynitrite"Diabetes.. 51(9). 2833-2839 (2002)

  • [文献書誌] N.Kinae et al.: "Formation of mutagenic and carcinogenic heterocyclic amines in the model systems without heating"International Congress Series 1245. 341-345 (2002)

  • [文献書誌] Y.Unno et al.: "Formation pathways of N^ε-(carboxymethy)lysine and dicarbonyl compounds by peroxynitrite"International Congress Series 1245. 73-76 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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