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2002 年度 研究成果報告書概要

フィトエストロゲンの生体内動態に関する研究-イソフラボン吸収促進因子の検索と疾病予防効果の検討-

研究課題

研究課題/領域番号 13680160
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 食生活
研究機関東京農業大学

研究代表者

上原 万里子  東京農業大学, 応用生物科学部, 助教授 (20211071)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
キーワードフィトエストロゲン / イソフラボン / ゲニステイン / ダイゼイン / エクオール / フラクトオリゴ糖 / 胃切除後障害 / 時間分解螢光免疫法
研究概要

大豆イソフラボンはエストロゲンとの構造類似性からフィト(植物)エストロゲンと呼ばれ、エストロゲン関連のがんや骨粗鬆症の予防に役立つことで知られている。しかし、この物質の生体内利用を変化させる食品因子に関する研究は少ない。食品中のフィトエストロゲンのほとんどは配糖体として存在するので、フィトエストロゲンの吸収には腸内細菌による糖鎖の切断が必要である。フラクトオリゴ糖(FOS)は難消化性、発酵性の糖質で、腸管でのビフィズス菌などの成長を促進する。したがって、FOSはフィトエストロゲン配糖体の体内利用率を修飾し、その吸収を促進、生活習慣病などの疾病に有用であることが期待される。
そこで平成13年では、イソフラボン胃内単回投与による3種静脈より採血した血中および尿中ゲニステインおよびダイゼインの経時変化におよぼずFOS摂取の影響について検討した。対照およびFOS摂取ラット門脈血中ゲニステインは1h後に吸収ピークがみられ、その後急速に減衰した。中心静脈血中濃度は門脈血の約半量となった。FOS摂取ラットでは、尾静脈血中ゲニステインおよびダイゼインは24-48時間後においても検出された。やかであった。尿中24および48時間後の両イソフラボン排泄量は、FOS摂取により有意に増加した。
平成14年度においては、胃切除(GX)後の骨形成不全と貧血に対するイソフラボンとFOSの併用摂取の効果について検討した。GXにより大腿骨骨端部海綿骨の骨密度(BMD)および骨破断強度は減少したが、イソフラボンおよびFOSの併用摂取によりその減少は抑制された。特にイソフラボンおよびFOSの併用摂取では、強いエストロゲン様活性をもつエクオールのダイゼインからの産生を促進した。さらにイソフラボンおよびFOSはGXにより増加した肝臓中過酸化脂質および腫瘍マーカーである血中TNF-αの増加を抑制した。
以上の結果により、FOSはイソフラボンの体内利用率を促進し、その協調作用により胃切除後障害である骨形成不全と貧血予防効果を示すことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Uehara, M, Ohta A, Sakai K, Suzuki K, Watanabe S, Adlercreutz, H: "Dietary Fructooligosaccharides Modify Intestinal Bioavailability of a Single Dose of Genistein and Daidzein and Affect Their Urinary Excretion and Kinetics in Blood of Rats"The Journal of Nutrition. 131. 787-795 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Uehara M.et al.(Gilani SG, Anderson JJB eds.): "Phytoestrogen and Health"AOCS Press. 660(178-195) (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] UEHARA M, OHTA A, SAKAI K, SUZUKI K, WATANABE S, ADLERCREUTZ H: "DIETARY FRUCTOOLIGOSACCHARIDES MODIFY INTESTINAL BIOAVAILABILITY OF A SINGLE DOSE OF GENISTEIN AND DAIDZEIN AND AFFECTS THEIR URINARY EXRESION AND KINETICS IN BLOOD OF RATS"THE JOURNAL OF NUTRITION. 131. 787-795 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] UEHARA M (GILANI SG, ANDERSON JJB EDS.): "MEASUREMENT METODOLOGY FOR PHYTOESTROGENS IN BLOOD AND URINE"PHYTOESTROGENS AND HEALTH, CAPTER 8(AOAC PRESS) CHAMPAIGN, ILLINOIS. CAHPTER 8. 178-195 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2005-04-19  

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