研究課題/領域番号 |
13680163
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
川野 因 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (80277681)
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研究分担者 |
佐藤 文代 十文字学園女子短期大学, 家政学部, 教授 (40122965)
笹本 重子 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (40267315)
石崎 朔子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (80070605)
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キーワード | 新体操女性選手 / 年間トレーニング計画 / 体内鉄栄養状態 / δ-アミノレブリン酸デヒドラターゼ活性 / 赤血球膜浸透圧抵抗性 |
研究概要 |
『目的』半年間の年間トレーニングに対応した貧血発現状況を調査し、新体操女性選手の体内鉄栄養状態と貧血発現機構との関連性を検討する。 『方法』体育系大学に所属する新体操選手10名を対象に、6ヶ月間に亘って貧血発現状態を追跡した。調査期間は2001年7月から12月までとし、測定項目は赤血球数、ヘモグロビン濃度(Hb)、血清鉄、鉄飽和率(TS%)、血清フェリチン濃度、ハプトグロビン濃度(Hp)、赤血球溶血率、δ-アミノレブリン酸デヒドロゲナーゼ(ALAD)活性とした。また、この時の食物摂取状況については『エクセル栄養君FFQg』を用いて検討した。 『結果』7月、選手に鉄欠乏性貧血は見られなかった。しかし、鉄欠乏性貧血の学生は8月に1名、10月に2名と増加したものの、12月には鉄欠乏性貧血者は見られなかった。この時、Tf%が15未満の割合は7月が60%、8月が70%と増えたのに対して、10月は40%、12月は30%と減少した。さらに、血清フェリチン濃度が12ng/dl未満の割合は7月が30%、8月は40%、10月は50%と増加し、12月には30%に減少した。 赤血球膜脆弱性の指標である50%溶血率は7月、8月、10月、12月でそれぞれ0.450±0.025、0.448±0.018、0.433±0.022、0.460±0.022と10月に比べて12月が有意に高値を示した(P<.05)。Hpは期間中に有意な差は見られなかったが、10月が最も高値を示した。赤血球合成酵素であるALAD活性は期間中に有意な差は見られなかったものの、アポ活性は10月が最も高値を示した。 エネルギー及び栄養素摂取量は調査期間中、有意な変動は見られなかった。 『結論』赤血球膜浸透圧抵抗牲は亢進したにもかかわらず鉄欠乏性貧血が発現した背景には、体内鉄栄養状態の悪化による赤血球合成量の不足が考えられた。
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