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2001 年度 実績報告書

穀類の麹菌処理による新しい抗酸化性発現と機能性食品素材としての有効性

研究課題

研究課題/領域番号 13680165
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

江崎 秀男  椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (90097642)

研究分担者 川岸 舜朗  椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (50023445)
キーワード米糠 / コーンフィード / 蕎麦の実 / 麹菌 / A.saitoi / 抗酸化物質 / ジフェルラ酸 / フェルラ酸
研究概要

本研究においては、食品産業副産物である米糠、小麦ふすまおよびコーンフィード、また、蕎麦の実に、味噌、醤油、清酒などに使用される8種類の麹菌を接種し、製麹を行った。3日および6日後の各種麹を凍結乾燥した。エタノール抽出を行い、その抗酸化力をリポソームを用いた試験法で検討した。いずれの麹菌を用いた場合にも、またどの原料を利用した場合にも、その抗酸化力は麹発酵とともに増強した。また、麹菌の種類により、その麹の抗酸化力は、3〜4日目に最強となる菌株と、製麹5〜6日後まで増強し続けるものがあった。
米糠では、ある種の麹菌、また、A.saitoi(泡盛醸造用黒麹菌)での製麹が、効率良くその抗酸化性を高めた。また、コーンフィードや蕎麦の実を原料とした場合にも、A.saitoiは抗酸化性を増強させるのに有効であった。同時に、これらの抗酸化性の顕著な増強には、製麹時の麹菌の胞子形成が関与すると考察された。他方、これらの麹中の抗酸化物質の検索を、TLCを用いた大豆油スプレー法で行った。その結果、A.saitoiを用いた各種麹において、原料には認められなかった多くの活性物質が存在することが明らかとなった。
大量培養した米糠麹よりメタノール抽出物を調製し、AmberliteXAD-2にて活性成分を分画した。20%、40%、60%、80%メタノール溶出画分において強い抗酸化性が認められた。80%溶出画分よりODSを用いた分取HPLCを繰り返すことにより、抗酸化物質(80-D)を単離した。LC-MS、^1H-NMR、^<13>C-NMR、HMBCなどの機器分析の結果、この80-Dの構造を8-○-9'-ジフェルラ酸と同定した。他方、60%溶出画分よりフェルラ酸を同定、また、20%溶出画分より20-SR(構造解析中)を単離した。これらの抗酸化物質は、リポソームを用いた抗酸化試験法、また、DPPHラジカル捕捉能試験においても、α-トコフェロール以上の活性を示した。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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