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2002 年度 実績報告書

穀類の麹菌処理による新しい抗酸化性発現と機能性食品素材としての有効性

研究課題

研究課題/領域番号 13680165
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

江崎 秀男  椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (90097642)

キーワード米糠 / コーンフィード / 蕎麦の実 / 麹菌 / A.saitoi / 抗酸化物質 / ジフェルラ酸 / フェルラ酸
研究概要

本年度の研究においては、米糠、コーンフィードおよび蕎麦の実に黒麹菌(A.saitoi)を接種し、製麹を行った。これらの麹よりメタノール抽出物を調製し、Amberlite XAD-2にて抗酸化成分の分画を行った。強い抗酸化性が認められた溶出画分より、ODSを用いた分取HPLCを繰り返すことにより、抗酸化物質を単離した。
各種機器分析等の結果、米糠麹より分離した物質を8-O-4'-ジフェルラ酸(8-O4'-diFA)、5.5'-ジフェルラ酸(5,5'-diFA)およびフェルラ酸(FA)と同定した。これらの抗酸化物質は、米糠のアルカリ分解によっても生成することより、糠層の細胞壁成分として存在し、製麹とともに麹菌の生産するエステラーゼによって生成したと推察される。8-O-4'-diFAはリポソームを用いた抗酸化試験法やDPPHラジカル捕捉能試験において、FAやα-トコフェロールより有意に(P<0.01)強い活性を示した。また、製麹日数の経過とともにdiFAおよびFAの含量は増加したが、同時に米糠麹の抗酸化力も増大し、両者の間には高い正の相関が認められた。
コーンフィード麹においても、製麹とともにその抗酸化力は増大した。抗酸化性成分として8-O-4'-diFAおよび5,5'-diFAを同定したが、他にCK-1物質を単離した。この物質もp-クマル酸以上に強い抗酸化性を示した。また、蕎麦の実を製麹させた場合にも、顕著な抗酸化力の増強効果が認められた。抗酸化性成分として、分子量290の物質を単離したが、この物質は同時にチロシナーゼ阻害活性やヒアルロニダーゼ阻害活性を示した。
他方、各種麹の凍結乾燥物よりエタノール抽出物を調製し、ラードに対する抗酸化性を調べたところ、蕎麦の実麹が最も強い活性を示した。また、この蕎麦の実麹は、直接にクッキーに添加された場合においても、その貯蔵時における脂質の過酸化反応を強く抑制した。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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