1.米の調理へ竹炭を利用する効果について検討した。。竹炭浸出液を使った米飯は普通に炊いた白飯よりやわらかく、おいしいと評価された。竹炭を利用して炊飯した米飯では低温保存時のかたさの増加が抑制された。竹炭浸出液のpHは高くなり、強いアルカリ性を示した。PHの上昇は浸漬後比較的短い時間内に起こった。竹炭を利用した炊飯では全糖、タンパク質が多く溶出していた。竹炭水を利用した粥も、早く軟化し、分離液の多いさらつとした粥になった。粥洗液中の全糖量、タンパク質量も多かった。これらの結果から竹炭を添加すると炊飯液のpHが上昇し、米デンプンの糊化が促進されることが示された。 2.フライ油の酸化安定性に及ぼす竹炭炭化温度の影響を調べた。500℃、800℃、1100℃で炭化した竹炭を作成し、その科学的性状を調べた結果、精錬度(電気抵抗、通電性)は500℃炭は無限大、800℃炭は著しく低下し、1100℃炭は0であった。竹炭を(10x10x5mm)に切断し、フライ油に各10〜20%添加して、180℃、6h加熱後AnVと有害アルデヒド生成量を測定した。800℃炭が最も油の酸化および有害アルデヒド(アクロレイン)生成を防止していた。竹炭のフライ油酸化防止機構は、竹炭内の孔サイズや形状に関係することが示唆された。比表面積(孔形)は600℃〜800℃で減少し始め、1000℃以上では急激に減少した。800℃前後では孔内にC-C結合が増え、大小の孔ができ、油酸化生成物を吸着したが、1000℃以上では通電性は増すが、孔がさらに縮小し、油酸化物の吸着能は激減したものと推定される。
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