【対象と方法】 40歳以上の壮年(2000年女45名、2001年男11名、女30名)を対象に8-11月の3カ月間のすこやかライフプログラムを実施した。 プログラム開始前後に、内臓脂肪型肥満に関係する体格、血液生化学、食習慣、活動調査を行い、万歩計を配布した。食行動および日常活動の行動目標は、参加者が自由に決定し、行動することとした。1カ月後に開始前の体格、栄養摂取量、臨床化学検査値を個別に報告し、食行動と生活活動の行動変容の意義と方法を学習した。2カ月後には、歩行量と体重の変化を評価し、行動変容の促進因子と阻害因子について参加者間で学んだ。 2000年の反省から、2001年には食行動と日常生活活動に関して参加者が自己評価可能な行動目標を明確にした。 低比重リポ蛋白(LDL)径は、マルチゲル-リポ(第一化学薬品)により大、中、小を判定した。血清は、-80℃で凍結保存し、用手法により測定した。解析には、SPSS10.0Jを用いた。 【結果と考察】 体重減少は、2000年には23名(51%)であったが、2001年には30名(73%)と改善し、最高3.4kgの減少となった。2001年には、肥満の指標である体重、Body Mass Index(BMI)、ウエスト囲、ヒップ囲で有意に減少していた。一方、インピーダンス式体脂肪計による体脂肪量は有意に増加した。これは11月が8月に比較して湿度が低下したための季節変動によると考えられる。 LDL径は、2001年は改善率が高く、悪化0名、不変17名、改善25名であった。 2000年に比較して、2001年に体格およびLDL径の改善が著しかった理由として、間食の中止など摂食量の減少が寄与していた。参加者が自己評価可能な行動目標の設定が行動変容の習慣化に寄与したものと考えられる。
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