研究概要 |
高齢社会の進行とともに,高齢農業従事者の疲労とその軽減対策は農村保健における重要な研究課題となっている。本研究においては,これまで実施してきた山口県大島郡内の柑橘類栽培農家を対象とした疲労調査結果を踏まえ,高齢農業従事者の健康を規定する生活環境要因について,特に食生活を含む生活習慣と疾病との関連,食習慣と高齢者の健康の問題,農作業における疲労軽減対策も含めたQOLに関わる生活要因を明らかにし改善の方策を明らかにすることを調査目的とする。 13年度は,大島郡内の農業従事者(柑橘類栽培農家)を対象に簡略版調査票を作成し,再度疲労に関するアンケート調査を実施し,基本健康審査結果に基づく健康状況も含めた生活環境要因と疲労との関連について,現在調査データを集計・解析中である。 本年度の研究実績の概要を以下に示す。 1.簡略化したアンケート調査票の検討,作成 前回使用した疲労調査票の結果をもとに質問項目数の削減,回答枝の検討を行い,簡略版疲労調査票を作成した。 2.大島郡久賀町における高齢農業従事者の疲労に関するアンケート調査の実施 当該地域で毎年実施されている基本健康診査に合わせて,地元保健センター,周東総合病院の協力を得てアンケート調査を実施した。健診受診者のうち高齢農業従事者約300名を対象にインフォームドコンセントを行った。疲労調査票は直接配布,郵送法による回収を行い,214名より回収された。 3.アンケート調査及び検診結果による疲労規定要因の検討 疲労調査票と保健センターと周東総合病院から提供を受けた検診データについて集計し,解析を行った。
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