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2003 年度 実績報告書

解体修理で下ろされた建築部材の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13680183
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

狭川 真一  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30321946)

研究分担者 井上 美知子  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (70223279)
花谷 浩  独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (70172947)
光谷 拓実  独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・埋葬文化財センター, 発掘技術研究室長 (90099961)
キーワード建設部材 / 瓦 / 年輪年代法 / 考古学 / 寺院 / 元興寺 / 飛鳥寺
研究概要

本年度はまず、5月に近在の古代瓦研究者を集めて検討会を実施した。それに先だって代表者及び分担者花谷で実際の飛鳥寺出土瓦との細部の照合を行い、少なくとも3種類の平瓦が元興寺に運ばれていること、それらは創建期の軒丸瓦2種に対応するものであることを確認した。その成果は、当初に課題として掲げた瓦の移動は動かしがたい事実として掲げられるに至った。
材木の成果では飛鳥時代(創建期)の部材があること、7世紀後半段階(白鳳期)の部材が認識できること、11世紀前後(平安時代)の資料が目立つこと、13世紀(鎌倉時代)改築時の資料も存在することなど、個々の資料数は少ないもののこれまでの元興寺の歴史を裏付ける年代で資料が特定できたことは重要であった。ただし、この資料中に奈良時代製作と確実に特定できるものはなく、これが何を物語るのかは課題であるが、飛鳥寺時代において白鳳期に改修を受けていた建物を移転に際しては、基本的に新材を用いることなく移転し建設した可能性を考えておきたい。また平安時代の部材の存在はこれまでの記録には見えてこない修理が存在していることを示し、平安京移転後の奈良の寺院のあり方についても検討する材料となる。これらについては今後の課題として重要視したい。
このように今回の研究成果の結果、元興寺はこれまで説かれるとおり飛鳥寺の移転されたものであることは確実であり、一部の建物については確実に飛鳥から実物を移転してきている事実もつかむことができた。これまで大切に伝えれてきた文化財を最新の成果を用いて再検討した結果得られた成果であり、実物保存の重要性を認識するとともに、今後は広くこの事実を公開し普及することを実施して行きたい。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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