研究概要 |
20世紀初頭に創設されたノーベル財団は,自然科学部門に対し約300件のノーベル賞を贈ってきた。その多くは,今世紀の科学を推進してきた人類の英知の結晶である。当プロジェクトは,この300件の内から25件を厳選し,その受賞を直接的,または間接的に支えてきた基本的な実験を単純化し,講義の中で演じて見せるための教材を開発しようとするものである。 平成15年度には、以下の5項目の演示実験について、実験のマニュアルを作成し、実験キットの改良を行った。今回の5項目は、ノーベル賞とは直接関係はないが、大学で基礎的な化学の講義を展開するのに有用な実験なので、あえて25項目の中に加えた。 1.都市ガスの燃焼と爆発。科学者アルフレッド・ノーベルが発明したダイナマイトの爆発と関連づける。(爆発事故への対応) 2.水の沸騰現象。水が持つ膨大なエネルギー蓄積能力を確かめる実験。(地球上におけるエネルギーの循環、気候・気象の変動、火山の爆発などと関連づける) 3.複氷の現象。(状態の変化とエネルギーの循環の理解) 4.炭素粉末、墨汁、リポタンパク質のろ紙の通過。(保護コロイドと生命現象) 5.微細鉄粉の空中発火。使い捨てカイロの反応速度の調節。(炭塵爆発や薬剤工場の爆発)
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