研究概要 |
大学に設置したサーバーを通して,VODで,県下の学校や,教員・生徒の自宅から,ネットワークを介して高品質な動画像や特色ある映像コンテンツを受信することができるライブラリーシステムを構築した。ここでは,各教員の自己研修の支援や,教育実践での教材支援環境を目指した。それと同時に,児童・生徒が「自ら学び自ら考える」学習環境としての支援が行えるようにしている。このシステムでは,学校から大学への接続において,インターネットからSINET経由ではボトルネックがあり十分な利用環境とならないため,地域の学校専用のプライベートネットワークに接続し,ビデオ映像をなるべく高品位で使えるようにした。ただし,この接続において使用するビデオコーデックと,セキュリティーを考えた対策が大変重要であることが判った。このようなシステムでは,活用できるコンテンツをどれだけ蓄積しているかが,よく利用される必要条件である。そこで,データーベースを使い,我々が作っていくコンテンツだけではなく,学校の教員が現場で必要として作った映像コンテンツを,簡単な操作で登録できるようにしている。そのほか,システムを充実させために利用動向の調査を行えるような仕組みや,映像情報の理解をサポートする仕組みなども組み込んだ。今回の研究で,一般的にブロードバンドが普及しつつあると言われているが,学校の属する自治体の取り組み姿勢や,セキュリティーの関係などにより障害が多いことがわかった。そこで,それらの障害を少しでも解決して使用できるように,県の教育センターや,関心のある学校現場の先生方と取り組み,100Mbpsで接続している中学校とで実践を行った。なめらかな動きときれいな映像をVODで使った授業では,生徒たちの評価もすこぶる好評で,このような授業に関心があることが判った。今後,多くの実践研究を行っていくことが重要である。
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