研究概要 |
前年度に引き続き風船モデリングシステムの改良を行った。また,より複雑な形状を作成するため,三次元操作インターフェースを設計した. 前年度のシステムを用いて,小学校6年生と2年生を対象に試用実験を行った.その結果,システムの使い方は5分程度の説明と数枚の図解で難なく理解できることが確認できた.しかし,形状の修正では,通常の操作では元に戻すことが難しい状況になると,困った挙句,始めから作り直す場面が何回か見受けられた.そこで,従来のシステムにundo/redo機能を追加し,任意の時点までモデリング作業を戻ることが出来るように改良した. undo/redoは,それぞれ左向き/右向きの矢印ボタンで操作ウインドに表示され,ボタンを押すたびに操作が1つずつ戻る/進むように実装されている.この操作は一般のワープロなどと同じだが,undoバッファには作業開始からの全ての履歴を保存するように設計しているので,これを利用して造形過程を最初からアニメーション表示することも出来る.従って,システムでお手本となる形状を作ればその過程を簡単に映像で示すことが出来る. 試用実験ではすぐに風船がが面からはみ出してしまうことも指摘された.そこで,ウインドサイズを大きくし,不要な機能を削ることで,作業領域を約2倍に拡大した. 従来のシステムでは1本の風船を2次元操作することに限定することで造形作業を簡単にしていた.しかし,より複雑な形状を作るには,現実世界と同じように,複数の風船を組み合わせて三次元的に曲げる/ねじることで風船を結合する換作が欠かせない.そこで,システムのインターフェースを3面図化し,それぞれの画面で形状操作が出来るように改良した.使いやすさを損なわないように,理解や操作が難しい任意視点の画面は形状の確認だけに使うように割り切ることで,以前のシステムとさほど変わらない操作性を実現している.
|