平成14年度科研費「交付申請書」の「本年度の研究実施計画」の項でも述べたように、「インターネットを活用した中国語学習教材」を制作する上で、近4年来の我々の目標は以下の4点から成っていた。(1)初学者がピンインの音声と声調を音声+画像+テキストによって学習できる。(2)学習段階に応じた単語学習ソフトの開発。(3)リスニング学習において定着度を測る自己診断テストが可能な教材ソフトの開発。(4)単文単位での翻訳、穴埋め、選択、記述、など多様な形式で学習し到達度を自動検証できるドリル教材ソフトの開発。 以上の4つ目標にそって、立命館大学中国語部会自主教材に対応したCALL教材システムを完成し、教育現場で使ってきた。今後、教材コンテンツを大幅に増やして、正課学習の補習としてもまたアドバンストの技能を培う上でも極めて有用な教材にして行く。 また開発した教材の特徴を国内の二つの学会で報告し、研究者・専門家と意見を交わし、CALL教育のスキル、教授方法の確立という課題についても、教育現場での試行錯誤も含めて一定の探究を試みた。 上記の教材ソフトの開発によって、初級学習者の学習教材は一応の完成をみたものと考える。今後は、中級・上級者対応の自主学習教材の開発をすすめ、大学の課程教育などとも呼応しながら一層の学力養成を実現しうるシステムの構築をはかることが求められている。我々としては、多様なさまざまなシチュエーションに応じたヴァーチャルリアリティシステムを前提とした中国語学習システムを構築したい。
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