研究概要 |
分数式計算の演習支援システムのインターフェイスを,(数式が手書きと同様に)2次元で表示されるよう改良した。昨年度開発した,式変形を一ステップずつ、その計算原理を説明しながら式変形の結果を示すインタラクティブな計算法解説ページ(助言機能)と組み合わせてシステムに実装し,豊田高専における、低進度学生に対する時間外演習(補習)で利用した。 豊田高専の低進度学生の特徴は,分数計算(数の計算)では問題ないものの,分数式計算(式の計算)で躓くことである。彼らの途中計算過程を詳しく分析すると,誤った計算原理(誤った数式変形の規則)に基づく(と思われる)計算ステップが散見され,また,よく似た誤りを繰り返している。 彼らが分数式計算法を修得するためには,計算演習を繰り返すだけでは不十分であるが,計算法解説ページで計算方法をインタラクティブに解説するだけでも効果が上がらないケースがあった。計算方法解説ページを受動的に利用する学生は,そこで学んだ計算法を,自ら行う計算演習に容易には適用できないのではないかと考えられる。 そこで,計算演習において,学習者が誤った計算原理による計算ステップを行ったときに,その計算ステップの含む原理的な誤りを指摘し,計算法学習の必要性を実感させることが必要ではないかと考え,(典型的な)誤った計算原理に基づく計算ステップを検出する方法を考案し,同ステップに含まれる誤りを,数値を代入した例を示して指摘する「誤解解消」ページを作成,システムに実装した。これらの追加機能の効果は,平成15年度に確認する。
|