本年度では、次に示す内容について研究を行った。 I.実験課題の検討 問題解決時の瞬目活動に関する実験課題について検討した。 II.瞬目に影響を及ぼす要因に対する経験的知識に関する調査研究の実施 瞬目に影響を及ぼす要因に対する経験的知識について明らかにすることを目的とした。調査対象者は65名であった。環境、眼球、身体状態の質問に関しては21項目、心理状態に関しては31項目であった。「増える」を1、「同じ」を0、「減る」を-1に数値化し、因子分析を行った。また、平均評定値を求めた。 (1)環境、眼球、身体状態に関する平均評定値 瞬目が増えると評定された項目では、「目に疾患がある時」(.91)が最も高く、次いで「空気が乾燥している時」(.81)であった。一方、瞬目が減ると評定された項目では、「一点を見つめている時」(-.65)が最も高く、次いで「暗闇にいる時」(-.52)であった。全般的に瞬目活動に影響を及ぼす要因に対する経験的知識はかなり高いということが明らかになった。 (2)心理状態に関する平均評定値 「嘘をついている時」(.73)が最も高く、次いで「緊張している時」(.57)であった。このような心理状態では、瞬目が増加するという経験的知識を持っていることがわかった。一方、瞬目が減ると評定された項目では、「注意集中している時」(-.88)が最も高く、次いで「催眠状態の時」(-.62)であった。全般的に心理状態と瞬目の関係も比較的認識されていた。
|