研究課題
PHS回線を利用した通信ネットワークを構築し、ダイヤルアップで大阪府教育センターのコンピュータと学校のコンピュータを接続して遠隔実験授業を小学校4校で4時間実施した。通信用のソフトウェアとしてはMicrosoft社のNetMeetingを使用した。PHSの電波状態は、教育センターの各実験室、学校の各教室ともおおむね良好であった。通信の状況については、音声は電話程度の音質で同時に双方向で話をすることができ、授業の中で説明を行うについては十分であった。動面については、クラス全員が見やすいようにプロジェクターで拡大したが、それに耐えうる細かさを確保すると、コマ送り的なフレームレートにならざるを得なかったが、動きの少ないものを提示しながら説明するのには支障はなかった。動きの大きな実験の様子を示すには、学校のコンピュータに予め録画した動画ファイルを保存しておき、授業時にそのファイルを再生しながらそれにあわせて教育センターから担当者が説明をする方法をとった。授業内容については、物理分野と化学分野について開発し、物理分野については1回、化学分野については3回の授業を実施した。物理分野で開発した教材は、電流のはたらきによる発熱に関連するのもの、化学分野は、ものの溶け方の項目の中で溶液からの巨大結晶づくりに関連するものであった。授業実施後の児童へのアンケート調査によれば、今後も今回のような遠隔授業を受けたいと答えたものが約95%あった。また、授業の内容がよくわかった及びだいたいわかったと答えたものの割合も約75%あり、今回の授業の内容が発展的であることを考えあわせると、この遠隔授業により、児童の興味関心が引き出され、理解を進めたといえる。
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