研究課題
PHS回線を利用した情報通信ネットワークを構築し、大阪府教育センターと研究協力員の小学校において、生物領域(2校)の遠隔実験授業を実践した。電波状況がかなり悪い状態ではあったが、前年度の経験を生かすことで次に示す好結果を残せた。授業内容は、生物分野で、モンシロチョウの卵から成虫になる過程や昆虫の体のつくりを学習させた。特に、昆虫の食べ物や食べ方に焦点をあて、電子顕微鏡を用いた昆虫の口のつくりの観察を含めて小学校3年で2校実践した。授業実施後の児童へのアンケート調査によれば、今後も今回のような遠隔授業を受けたいと答えたものが98.4%あった。また、授業の内容がよくわかった及びだいたいわかったと答えたものの割合も89%あり、今回の授業の内容がストーリー性を考慮したもので、その結果が現れている。この遠隔授業により、児童の興味関心が引き出され、理解を進めたといえる。これらの内容も含め、全国理科センター協議会物理部会において、物理領域での遠隔観察・実験について発表を行った。内容は電球への発展と、液体窒素中での発熱発光の仕組みを説明した。大阪府教育センター研究フォーラムでは、小・中・高等学校の教員に対象に講演発表を行い、報告集録で理科の遠隔授業の試み(全38頁)にまとめた。PHSを使った遠隔授業のシステムに始まり、物理領域、化学領域、生物領域、地学領域の4領域について、教材、実践、アンケートについて報告している。
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