研究課題/領域番号 |
13680275
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 助教授 (40261375)
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研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, 教育学部, 教授 (00142761)
伊藤 隆介 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (80271716)
新井 義史 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (10142762)
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キーワード | アジア / 造形文化 / 美術教育 / 鑑賞教育 / 教材開発 |
研究概要 |
本年度は、教材化のための内容の検討と、韓国における映像メディア表現の調査、鑑賞教材の試作と検証、の3点を中心に研究を進めた。 教材化のための内容については、シンガポール、マレーシア、インドネシア、韓国、中国などの美術教育カリキュラムを分析した。鑑賞教材の内容として想定されたトピックスを、日本美術や日本文化との対比において理解しやすいもの、地理的環境や風土・民族的特徴を含むアジアの特徴をもつもの、サブカルチャーや大衆文化として親和性の高いもの、現代のアジアンアートなどに整理した。 韓国における調査では、韓国国立中央博物館、民族博物館、現代美術館等での取材を通して、東アジア一帯の造形文化として日本や韓国の造形文化を教材化することの意義を確認できた。また、檀国大学映像学科、ケイワン美術学校等の取材を通して、韓国の映像メディア文化の状況や、同時代性をもった鑑賞教材としての映像メディア表現の可能性を確認した。また、映像メディアの原理を理解するために、制作と鑑賞を一体化させた教材を試作した。 鑑賞教材は、プレゼンテーションソフトを用いたスライド形式で作成された。想定したトピックスの中から、アジアの全体的な紹介、仏像、水墨画、東南アジアのバティック、韓国の漫画・アニメ文化、日本と韓国の弥勒菩薩像などのトピックスをスライド教材化した。このうち、仏像と水墨画についての教材は、大学生を対象とした講義において試験的に使用し、指導プロセスと教材の内容を照合して検証した。 全体を通して、アジアの造形文化の鑑賞教材化は、アジアに残存する多様な伝統文化や文化遺産はもとより、現代アート、漫画やアニメなどの映像メディアなどを含めて、従来ではとらえきれなかった「アジア」や「美術」の理解に有効であることが確認された。
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