上記の「研究課題」を達成するために、本年度は次の研究を進め、成果を得た。 1.説明的文章の読解に関わる児童の認知発達の様相をとらえる指標とするために、大学生が説明文を構成する際に用いる説明方略を調査した(山梨大学教育人間科学部紀要3巻2号に研究成果を掲載)。 2.読書環境と子どもの説明文スキーマの発達との関わりを明らかにするために、2000年版『キンダーブック1・2・3』、平成14年版小学校国語教科書(光村図書、教育出版、東京書籍)を調査し、幼児読み物から小学校教材に至る説明的文章の展開構造が、その対象とする読者の年齢に応じて、どのように変化しているのか、記述した。 3.戦後から現在までの国語科教科書の説明的文章教材の展開構造を調査し、入門期説明文教材への導入過程に特色が認められるものとして、東京書籍・昭和27〜51年版「どうぶつえん」、光村図書・昭和33〜42年版「のりもの」の2例を見出した。
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