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2001 年度 実績報告書

10代半ばの年齢層の音楽空間と音楽的趣味・嗜好の形成

研究課題

研究課題/領域番号 13680294
研究機関滋賀大学

研究代表者

杉江 淑子  滋賀大学, 教育学部, 教授 (30172828)

キーワード音楽的趣味・嗜好 / 稽古事 / 若者文化 / ポピュラー音楽 / 質問紙調査 / 家庭の音楽環境 / 文化資本 / 音楽教育
研究概要

音楽文化のグローバリゼーションと多様化が進行する現代社会において、子どもたちが、どのような社会的・文化的文脈のもとで、どのように音楽的趣味・嗜好を形成して自らの音楽的アイデンティティを確立していくのかを明らかにすることが目的である。そのために、本研究では、10代半ばの年齢層に焦点を合わせて、質問紙調査とインタビュー及びケース・スタディを併用しながら、調査・分析を進めている。平成13年度は、近畿地方の郊外中規模都市と農村部の中学校2年生及び3年生を対象とした質問紙調査、及びポピュラー音楽の専門学校生徒に対する質問紙調査とインタビュー調査を実施した。
中学生調査の分析からは、(1)男子生徒と女子生徒とでは、女子の方がより多様な音楽を楽しんでおり、音楽に対してより一体化した反応をすること、(2)その大きな要因として、西洋鍵盤楽器を主とする私的音楽教育経験(音楽の稽古事経験)の男女差が強く働いていること、(3)音楽の稽古事経験を通して獲得される音楽文化は、"正統化された"学校の音楽文化と音楽的語法や学び方の点で共通性があるため、稽古事経験を持つ者は、学校の音楽文化をより肯定的に受容しやすいこと、(4)子どもの音楽活動や音楽学習に関する親の意志決定や取り扱いは子どもが男児か女児かによって大きく異なり、そのことが男女による音楽的趣味・嗜好の違いをもたらしていること、等を明らかにした。ポピュラー音楽学校生徒に対する調査では、ポピュラー音楽への強い関心が、生育過程のなかでどのように形成されてきたのかをインタビュー調査を通じて聞き取るとともに、彼らの音楽的趣味・嗜好や私的音楽教育経験、学校の音楽教育への関わり方などについて質問紙調査によりデータを得た。次年度以降は、これらの分析を深めるとともに、音楽聴取実験を含んだ調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshiko N.SUGIE: "Gender Differences in Musical Tastes: Focusing on Private Music Lessons and Family Climate"Proceedings of the 3rd Asia-Pacific Symposium on Music Education Research. Vol.2. 144-145 (2001)

  • [文献書誌] 杉江淑子: "音楽的趣味・嗜好にみられる男女間の相違とその形成要因-音楽の稽古事経験および家庭の音楽的環境の影響に焦点を合わせて-"滋賀大学教育学部紀要(I:教育科学). 第51号. 107-118 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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