今年度は「映像メディア」活用カリキュラムを策定するために絵画・彫刻・デザイン・工芸・美術理論美術史・教科教育法の科目において実証的研究を進めた。それぞれの専門分野において、映像メディアの特質を見据えながら、開設科目への位置づけを行い、実証することで系統的なカリキュラム策定の方向性が見えてきた。実施科目は、絵画II、彫刻I・II、立体表現I・II・現代彫刻、工芸実習I・II・III、美術理論美術史I、美術演習III、中等美術科教育法I、美術科教材内容論II、メディア・デザインI・II等である。 「映像メディア」を生かした具体的事例としては、デジタルカメラやビデオによる作品のデータベース化、コンピュータによる作品制作及びプレゼンテーション、インターネットによる資料収集能力の向上、映画鑑賞による批評力の育成、図画工作、美術の授業のための教材開発などである。それぞれの専門分野からの授業実践の報告とまとめを受け、研究代表者が中心になり今後の課題と改善策、系統的なカリキュラム作成にむけて共通理解を得た。 一方、附属中学校と連携して執筆した『マルチメディアで広げる美術の授業』(明治図書出版)が5月に刊行される。映像メディアの特質を生かした実践書であるが、大学における系統的なカリキュラム作成に多いに参考となる。
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