本研究の目的は、次の6点にある。(1)社会科授業リソースに関するウェブデータベースを開発する。(2)社会科授業関連ページの検索を行い、社会科授業関連リンク集ウェブページを開発する。(3)社会科学習指導案作成のウェブページを開発する。(4)社会科の授業リソースデータベース、授業関連リンク集、学習指導案作成のウェブページを統合する社会科教材研究ベースサイトシステムページを構築する。(5)構築した社会科教材研究ベースサイトシステムを教育実習及び教材研究等の教職科目の授業において実験利用を図り、そのシステムの有効性を検証する。(6)構築した社会科教材研究ベースサイトシステムを公開し、インターネット上での学習指導案作成と教材開発に関する交流研究組織を運営する。本年は、次の(1)から(3)までの昨年度の研究成果を踏まえて、(5)(6)の社会科教材研究ベースサイトの活用に着手した。そして、本研究の最終年度として報告書を作成した。 教育実習における活用としては学部4年生の地域実習と関連づけて、研究授業の学習指導案作成のために本ベースサイトシステムの機能を活用した。具体的には協力学生が小学校5年生単元「自動車をつくる工業」の学習指導案を社会科の授業リソースデータベース、授業関連リンク集、学習指導案作成のウェブページの利用によって設計した。 そして、実習校での研究授業として実践し、その授業分析の結果に基づいて学習指導改善案を開発した。さらに、本学大学院の社会科教育授業研究演習の授業科目において受講生が本システムを活用して社会科及び総合的学習の学習指導案を設計した。この授業活用によって本ベースサイトシステムに基づくe-learningの試みを次年度から始めることになった。なお、研究目標(6)については当初に構想していた本ベースサイトシステム活用の交流研究組織の発足はできなかったが、本学のe-learningの実施によって交流研究組織の代替えは可能である。そして、本研究の研究報告書は、3月末に刊行する予定である。
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