本研究の目的は、保健体育科における「体ほぐしの運動」とストレス・マネージメント教育とを包括し、教育現場において児童・生徒の「心と体をほぐす」ために実践的検討を試みることであった。なお、本研究は、3年間の研究計画で実施された。 具体的には、第1年次では、「体ほぐしの運動」とストレス・マネージメント教育に関する国内外の実践報告などを含めた先行研究の文献的検討が、主な研究内容であった。これらは、第3年次の教育プログラムの実践的報告における参考文献にも多数あげられている。また、実践的な資料については、「体育科教育におけるダンス教材の開発(IX)-ダンス・ムーブメントセラピー的アプローチの可能性-」として報告した。第2年次では、「体ほぐしの運動」とストレス・マネージメント教育のプロダクトの動作学的な分析を行った。具体的には、野口体操の「腕回し」を対象として、熟練者と経験者の動作の相違からその特徴を分析・検討した(「『体ほぐしの運動』における動作的検討-野口体操の『腕回し』」を対象として-」)。そして、第3年次では、「体ほぐしの運動」とストレス・マネージメント教育を包括する教育プログラムについて、「『体ほぐしの運動』の授業実践に関する一考察-高校生を対象とした心理的変化を中心に-」として、実践結果をまとめた。 これらの内容の詳細については、報告書として作成した別冊子に示した通りである。
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