第1年次の研究として、調査研究の目的と方法等について意識統一を図った上で、全国を6地区(研究I=北海道・東北、研究II=中国・四国、研究III=近畿・九州)に分けて、各道府県の教育委員会・教育研究(研修)センター及び高校教育研究会国語部会事務局校、大学の研究室、直接、古典教育実践者を尋ねて、古典教育実践に関する吉報及び資料の収集を行った。具体的には、(1)各道府県高等学校研究会国語部会の研究紀要、(2)各高等学校の研究紀要、(3)研究センターの刊行している研究紀要類、(4)研究サークルの実践研究資料の調査・収集と、(5)古典教育実践者への面接による情報・資料収集を行った。 ほぼ全道府県の調査を終えたが、香川県・愛媛県・鹿児島県などのように、国語部会の研究紀要を創刊号から全巻を揃えているところもあるが、道府県によって、資料の残され方に大きな差がある。大坂・京都・宮崎などは資料をあまり入手できなかった。現在、収集した資料の整理に取り組んでいるところである。 なお、本研究の一端として、渡辺は、2001年10月、全国大学国語教育学会(長崎大会)で福岡県の稲益俊男氏を取り上げて、その古典(古文)教育の内実と特質について口頭発表した。また、同年11月、中国四国教育学会(山口大会)で、稲益俊男氏も含めて、『日本文学』掲載の古典教育実践研究の展開を明らかにした。この研究の成果は、『教育学研究紀要 第47巻』に掲載されている。
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