情報教育の導入部となる初等教育において、コンピュータはどのような教科でどのような使われ方をしているのか、その現状を把握することを目的としてアンケート調査及び解析を行った。 調査は予備調査と本調査の2段階に分けて行った。各都道府県毎に20〜25校をランダムサンプリングし、両調査において、公立小学校1000校(国立大学附属は除く)に郵送法によってアンケートを配付し回収した。調査期間は平成14年4月上旬から8月上旬であり、回収率は32.5%であった。 この結果、初等教育ではその主たる利用目的が、「CAI」「コンピュータ教育」「調べ学習」「情報発信」にあることがわかった。また今後の利用目的としては、情報収集が挙げられるだけでなく、情報発信が重視されていることがわかった。 特に高学年で重視される「調べ学習」と「情報発信」は、情報リテラシーとして位置づけられる。情報リテラシーでは最終的には加工した情報を表現することが求められる。しかし、このことは情報を発信する者には、情報を閲覧する立場に立った表現が求められることを意味している。表現することに関して、現行の図画工作科では児童の創造性という観点から、第三者の評価を意識した表現は求められていない。本調査では、この点を明らかにし、今後の図画工作科のあり方に対する一つの指針を示すことができた。
|