研究概要 |
平成15年度においては,これまでの研究成果の中でアンケート調査分を論文としてまとめ公表した。論文要旨は以下の通りである。 情報教育の導入部となる初等教育課程において,コンピュータがどのような教科でどのような使われ方をしているのか,そしてその現状とその評価がどのようにされているかを把握することを目的として調査を行った。この結果,初等教育ではその主たる利用目的が,CAI,コンピュータ教育,調べ学習,情報発信にあることがわかった。特に高学年で展開されることが多い調べ学習と情報発信は,情報リテラシーとして位置づけられている。情報リテラシーにおいては、最終的に加工した情報を表現することが求められる。しかし,このことは情報を発信する立場にある者には,情報を閲覧する立場に立った表現が求められることを意味している。「表現する」ことに関して、現行の図画工作科では児童の創造性という観点から,第三者の評価を意識した表現は求められていない。一方で、創造性というような表現に対する評価の基準は確立されていないというのも事実である。情報リテラシーに対する評価の基準が「表現」に求められないのなら、単に操作の習熟度を測るだけの科目となりえる。 本論文では,この点を明らかにし,今後の図画工作科に対して改革の必要性を示した。
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