研究概要 |
昨年度に引続き,義務教育段階の児童,生徒に対する福祉教育を進めるうえで必要となる資料収集を行った。最終年度にあたる今年度は以下の作業を中心に進めた。 1.「障害理解」に関係する映像教材を試作した。Tさん(大学4年生,聴覚障害者)が,手話を交えながら,聴こえないことの不便さ,それに対する対処(生活面での工夫),小学時代の様子(発音や音楽の授業),趣味,将来の夢(教職につくこと),視聴者への願いを語る内容で構成されている。この映像を小,中学生、約200名に視聴してもらい,映像を通してどのような効果をもたらしたかを自由記述を中心にしたアンケートで検討した。 2.1の結果をふまえて,映像教材を用いた「障害理解」プログラムを検討し,児童,生徒の望ましい態度形成に結びつく学習プログラムを検討した。さらに同じ映像を使って児童,生徒の関心のもとに主体的に教材にアクセスできるように,パソコン画面からTさんに関する話題を選択し,そこにアクセスできる教材も試作した。 3.義務教育段階における福祉教育に関して実施した教職員に対するアンケート結果と,今年度,実施した障害理解教育に関連する教材活用及び教育プログラムの検討結果を統合するなかで,3年間にわたる研究の成果をまとめ,併せて今後の研究課題も明らかにした。
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