(1)平成13年度は、MacとWindowsという2つのOSの違いをこえて汎用性をもつインターネット・エクスプローラー自体の特性への習熟につとめた。また、本研究の基礎となる共著(ハイパーメディアによる高校日本史の教材開発 浅香勝輔教授退任記念刊行会編『歴史と建築のあいだ』古今書院)をまとめ出版した。 (2)平成14年度は、『室町時代の人々の一年』を開発した。内容面では、この時代を一通り学習した生徒が、興味・関心を持てるものを開発した。また、教材ソフトそれ自体のスクリプトの開示で、この種の教材を自主的に作成・使用したい教師にたいしてインセンティブを与えるウィザードとなるように設計した。成果は、論文(ハイパーメディアによる教材開発(3)-高校日本史『室町時代の人々の一年』コース-『教育文化』12号)をまとめ公刊した。 (3)平成15年度は、『室町時代の人々の一年』をさらに改善し、学部総合科目で教材の汎用性をテストし、併せて、学会で発表した。また、『室町時代の人々の一生』の素案作成を試みた。テキスト教材と画像(静止画像および動画)、音声、インターネットとの結合により、メディア・コンプレックス教材を開発しようとした。具体的内容編成では、室町時代に関する研究をフォローするとともに、フランスの、アナール派等の影響を受けた歴史教材の検討を行った。 (4)平成16年度は、教材ソフト『室町時代の人々の一生』の作成・改良を試みた。教材に3層からなる階層性をもたせることで、テキスト教材それ自体がより深い内容へと深められることを可能にし、反面、必要最小限の情報を得ることですみやかな学習の進行を可能にすることでスリム化をはかった。結果は、論文(金子邦秀 ハイパーメディアによる教材開発(4)-高校日本史「室町時代の人々の一生」コース-『教育文化』14号)をまとめ公刊した。
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