研究概要 |
平成13年度は,小学校5年生を対象に,開発した食生活教育プログラムのうち,「おやつの選択-油」と「なぜ,食べるのか」の2授業案を用いて教育介入をスタートした。 介入校については,介入前後に質問紙(平成12年度のベースライン調査に用いたものを一部修正した)による調査と研究者による授業観察および,児童には授業後のふりかえりカード,授業者にはアンケートによる授業評価を行った。比較対照校については,介入前の同一の時期に,質問紙調査のみ行った。 「おやつの選択-油」は,授業案のねらいどおり授業が実施され,児童のふりかえりカードにおいても具体的な目標設定ができ,その目標達成の自己評価は望ましいものであった。「なぜ,食べるのか」では,間食行動における要因分析において,授業展開が授業案どおりすすまず,具体的な目標設定ができた児童は少なかった。このことは,プロセス評価の1つとして実施した授業観察による児童の反応からも観察されており,授業目標を達成するためには,授業案の一部改正の必要性と意志決定・目標設定スキルトレーニングの重要性が取りあげられた。目標達成については,授業実施から一定期間経過した後に,フォローアップの調査を実施して,行動改善の定着を確認する必要性があると思われる。 また,質問紙調査の結果をベースラインデータと比較し,4年生から5年生への発達に伴う食行動変容を把握したうえで,単年度の分析から各々の授業効果を定量的にとらえ,5年次における食生活教育プログラムの有効性を評価する計画である。
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