研究概要 |
平成13・14年度に実施した食生活教育プログラムの食行動変容,ライフスキル・セルフエスティーム形成に関する総合評価を行い,次期研究の基礎資料をまとめた。 1)総合評価 食生活教育参加児童と対照児童の比較を行った。間食摂取学習では学習目標にそった知識習得はできたが,間食行動の変容にはつながらなかった。朝食摂取学習では,意思決定・目標設定スキル学習を強化したことから,朝食摂取日数は6.3±1.5日/週から6.6±1.1日/週と有意に増加し,ライフスキル教育による食生活教育成果が得られた。男子については,態度形成との関連性が確認できた。女子については,思春期発達との関連性が窺われたことから今後の研究課題とする。 2)指導者マニュアル作成のための資料収集 特色のある食生活教育プログラムを有効に実施するには,授業者がプログラム特に,ライフスキルの理解ができるよう指導者教育を充実する必要性が確認された。諸外国における指導者マニュアルについて調査し、オーストラリアにおける指導者教育の視察を行い、参加型学習法に基づいた食生活教育の指導者マニュアル作成の基礎資料を収集した。 3)包括的な食生活教育プログラムの開発 児童の食行動改善には,強化因子となる家族や地域における食環境を包含したプログラムが必要であることを確認した。栄養教諭制度・食育基本法制定を視野にいれた学校保健からの積極的なアプローチができるよう学校保健と地域保健の連携を進める基盤ができた。これをもとに,学校・家庭・地域を連携した包括的な食生活教育プログラム開発の準備ができた。 4)教材開発 児童の学習を効果的にすすめかつ,児童から保護者への伝達学習ができることを目的に朝食プログラムに使用する工作用"食品ピラミッド"を開発し、1,000部作成した。
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