平成13年度に行った調査作業で大日本図書、東京書籍2社の小学校4年から6年までの理科教科書(計12冊)に使用されている語彙のデータベースが完成した。 平成14年度は昨年度得られたデータをもとに次のような調査作業を行い、報告書を作成した。 1.小学校理科教科書『新訂 たのしい理科』(大日本図書 平成11年2月28日文部省検定済)4年上下・5年上下・6年上下全6冊の異なり語数(2、935語)、延べ語数(24、902語)を得た。これらの語の品詞別、語種別の特徴を計量的な面と教科内容の分野の面から考察した。 2.理科教科書の語彙のデータと既に行われている小学校社会科教科書(『新編 新しい社会』東京書籍平成7年2月15日検定済)4年上下、5年上下、6年上下全6冊の語彙調査で得られたデータとの比較、『児童生徒に対する日本語教育のための基本語彙調査』(1996 工藤真由美 横浜国立大学教育学部工藤真由美研究室報告書:1999ひつじ書房より改訂発行)との比較を行った。その結果、理科教科書の使用語彙と社会科教科書の使用語彙とでは異なり語数で999語(理科教科書の異なり語数全体の34.0%)、延べ語数で16、510語(理科教科書の延べ語数全体の66.3%)が共通であった。また、理科教科書、社会科教科書、『児童生徒に対する日本語教育のための基本語彙調査』の3者において、異なり語数で646語(理科教科書の異なり語数全体の22.0%)が共通していた。2教科の教科書に共通している語、理科教科書のみに使用された語について、品詞、語種を中心にその特徴を見た。 3.「理科教科書使用語彙リスト:五十音順」「理科教科書使用語彙リスト:使用度数順(社会科教科書使用語彙との対応を含む)」「理科教科書と社会科教科書に共通する語彙リスト:理科教科書使用度数順(『児童生徒に対する日本語教育のための基本語彙調査』との対応を含む)」の三種類のリストを作成し、報告書に掲載した。
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