研究課題/領域番号 |
13680351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
宇佐美 まゆみ 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90255894)
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研究分担者 |
西郡 仁朗 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (20228175)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 多文化共生社会 / 異文化コミュニケーション / 自然会話分析 / 文字化の原則 / トランスクリプション / データ共有化 / ポライトネス理論 / スキーマ |
研究概要 |
本研究は、主に自然会話をデータとして、「多文化共生社会における異文化コミュニケーション教育」のための基礎的研究を行うために、まず、日本語会話の文字化のために筆者が開発した「基本的文字化の原則(Basic Transcription System for Jappanese : BTSJ」(1997)の改訂版を作成するとともに、新たに、その韓国語版(Basic Transcription System for Korean : BTSK)、及び、中国語版(Basic Transcription System for Chinese:BTSC)の試作版を作成した。 それらに基づいて、これまでの日本語のデータに加えて、韓国語、中国語(大陸)、英語における自然会話データ(初対面二者間会話)、及び、日本語における母語話者-非母語話者間の偶然の初対面二者間会話も収集し、既存の会話データの整備とあわせて、データ共有化に向けて、データベースを洗練させ、拡大していった。 また、これらの作業過程(データ収集、文字化、コーディング、データベース化等)で問題となってくる点や、その処理の仕方などの、様々な観点からの研究を可能にする「自然会話分析への言語社会心理学的アプローチ」の方法論についても分析・考察を行い、まとめた。 その上で、これらの会話資料に基づいて、ディスコース・ポライトネス理論、対人印象の観点からの分析を行った。ディスコース・ポライトネス理論(宇佐美、2001)でいう談話要素の「基本状態」を各言語において同定することによって、異文化間ミス・コミュニケーションのいくつかの原因を予測することができる。そういう意味で、本研究は、これからの異文化コミュニケーション教育に必要な観点を明らかにしたと言える。 【引用文献】 宇佐美まゆみ「談話のポライトネス-ポライトネスの談話理論構想-」「談話のポライトネス』(第7回国立国語研究所国際シンポジウム報告書)、国立国語研究所.2001:9-58.50頁
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