研究概要 |
本研究は,海外では入手困難且つ高額となる日本語教材を,WWW技術を活用してインターネット上で利用可能にすることにより,日本語自己学習環境の開発を目指し,既に開発した日本語教材(Macintosh専用)のWeb教材への移植作業と,教材の汎用化の研究開発を行うことを目的としている. 今年(平成13年)度: (1)Machintosh専用のHyperCardを用いて作成したハイパードリル「初級日本語」をWeb教材化したのち、下記のURLに公開して、留学生日本語センター内で実証的に評価し、パソコンのWebブラウザーを使った学習に利用できることを確認した.http://www.tufs.ac.jp/ps/personal/lin/SCard 実証評価を分析してみると,成績下位者のレベルアップに有効であることがわかったが,いくつか問題も見つかった.通信回線の速度によっては,Webブラウザー上のソフトウェア・レスポンスが低下し,操作性に問題が生じたりすること,教材の汎用性を持たせるためにはWebブラウザーのユーザ・インタフェースに工夫を要することなどである. Web教材では,教材品質を向上させる目的で,発生ドリルの音質向上のため,声優による発声データの録音作業を実施し,教材内容の向上も行った. (2)教材データの汎用化について検討した.情報教育ポータルサイトの枠組みを検討し,Webサイトとして満たすべき機能条件を,・学習の仕分け,・学習教材などのデータの共有,・学習者の情報提供の管理の3つに区別した.次に機能を実現する技術検討を行い,概念システム図を完成させた.本研究では,とくに学習教材データの共有部分に注目し,データを多言語化するときの問題点を調べた.具体的な実装については,(3)で述べる. (3)教育教材のJAVA/Servlet化の検討とパイロットシステムの開発を実施した.教育教材データの分析を行い,プレゼンテーション部分と学習コンテンツ部分の切り離しの可能性について検討した.一部の教材プログラムのJava化について,Servlet上に試験アプリケーションを実装し,サーバーサイドで実行される学習ソフトウェアの性能を検証した.Servletは,WebSphere(IBM社製)を利用したが,パソコン性能等の問題点から,Tomcat(フリーソフトウェア)に変更した.多言語教材データを蓄積することのできるデータベースにDB2を採用し,このデータベースに,小規模な教材データをUnicodeで蓄え,Webブラウザに表示するパオロットシステムを構築した.
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