研究概要 |
本研究は,多様な背景を持つ日本語学習者が,それぞれの学習環境とどのような相互作用を行っているか,それがどのように言語習得と関わっているのか等,学習行動の結果のみならずプロセスの実態を調査し記述することを目的とした研究である。具体的には以下の調査・研究を行った。 1.地域の学習者を含む多様な日本語学習者に利用できることを目的として,インタビュー調査の方法と調査に使用する調査票の改善を行った。 沖縄,九州,新潟,名古屋,横浜の各地で地域の日本語教育担当者等との研究会および懇談会を開き,地域の日本語学習者を対象とする調査,および調査方法について話し合った。その他の地域の日本語教育担当者とも個人を通して接触し,協力を求めた。それにより,調査方法に関する技術的な知見に留まらず,調査に関するさまざまな問題点が明確になった。得られた意見や助言は,調査および調査票に反映されただけでなく研究組織にとって調査そのものの意義を問い直すきっかけとなった。 2.日本語学習者の多様性を的確に把握するために,異なる地域の多様な学習者を対象にインタビュー調査を実施した。沖縄,九州,関西,東海,関東地域に在住する学習者述べ39名(3名のパイロット調査を含む)を対象に実施した。録音テープは,文字化をした。3名については6ヶ月後に2度目の調査を行うことにより縦断的な把握も試みた。 3.学習者と学習環境との相互作用の結果を視覚的に記述する方法として同心円図を開発しその精緻化を図った。本調査の対象とした36名分について同心円図を作成した。 4.調査の結果の分析および調査方法についてのまとめを報告書に作成した。
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