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2002 年度 実績報告書

美術作品の色彩情報の計量分析と可視化

研究課題

研究課題/領域番号 13680372
研究機関電気通信大学

研究代表者

小林 光夫  電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70008829)

研究分担者 鈴木 卓治  国立歴史民族博物館, 情報資料研究部, 助手 (70270402)
キーワード色彩学 / 西洋絵画 / 日本伝統色 / 錦絵 / 近世きもの / かさね色目 / 色彩分析システム / 計量分析
研究概要

平成14年度は,本研究に関して6件の発表を行った.また,欧米論文誌(査読つき)に論文1篇が採択された.
絵画における色の変化をウエーブレット変換によってとらえる手法を開発し,CGIV(CG,画像,および視覚における色に関するヨーロッパ会議)で発表した.この成果はPattern Recognition Letters誌に採択された.
国立歴史民俗博物館所蔵の錦絵資料およびきもの資料について,ディジタルカメラによる色彩画像の撮影および測色値の推定を行ない,錦絵資料は数量分析に耐える精度で色推定を行うことができた.この成果を国際色彩学会大会(AIC 2002 SI)で発表した.またきもの資料については,測色値情報をもちいた色彩分析を試み,精密ではないが特徴的な情報がいくつか見出された.この成果をカラーフォーラム JAPAN2002で発表した.
日本の伝統色彩に関して,紙や布を顔料や染料で着色して作成された復元色票を貼付した資料が刊行されている.これらを相互に比較可能なデータとするため,測色器による復元色票の測色データを「日本伝統色復元色票データベース」としてまとめた.これは2003年度発刊の国立歴史民俗博物館研究報告に掲載の予定である.ここから,中世貴族の女房装束などに用いられた「かさね色目」と呼ばれる一種の配色システムについて,いくつかの文献に収録されたかさね色目を分析し,配色に関するいくつかの特徴的なパターンを抽出することができた.この成果を国際色彩学会大会で発表した.
海外研究協力者のMichel Albert-Vanel氏を11月に招聘し,10日間にわたって集中的に共同研究を実施した
美術・色彩の研究者・教育者・学習者のための色彩分析システムとして,Colorcelを開発した.Colorcelを使って,数値で表わされた色情報の可視化や,異なる表色系間の色値変換を簡単に行うことができる.この成果は日本色彩学会全国大会で発表した.Colorcelは現在公開に向けて準備中である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kobayashi, M., Takahashi, M., Suzuki, T.: "Computational Analysis of Color Combinations in "Kasane-irome", Japanese Ancient Court Costume"AIC 2002 SI Proceedings. (to be printed). (2002)

  • [文献書誌] Suzuki, T., Kobayashi, M.: "Accurate Recording of Color Information of Museum Materials by Digital Still Cameras ---In case of "Ukiyo-E" and "Kimono" ---"AIC 2002 SI Proceedings. (to be printed). (2002)

  • [文献書誌] Kobayashi, M., Murata, T.: "A Mathematical Analysis of Coarseness of Color Variation in Painting Arts"CGIV 2002 Proceedings. 263-266 (2002)

  • [文献書誌] Kobayashi, M., Murata, T.: "A Spatial Wave-length Analysis of Coarseness or Fineness of Color Variation in Painting Arts"Pattern Recognition Letters. (to be printed). (2003)

  • [文献書誌] 小林光夫, 鈴木卓治, 小川佳美, 高橋良: "色彩研究のための色彩情報処理ソフトウェアの設計とWindows-Excelへの組込み"日本色彩学会誌. 26,Suppl.. 14-15 (2002)

  • [文献書誌] 小林光夫, 小川佳美: "江戸時代の"きもの"資料に対する色彩分析の試み"カラーフォーラムJAPAN2002論文集. 47-50 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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