研究概要 |
具体的な成果としては、17件の査読付き英文論文を期間中に発表した。まず、研究の主テーマであるパラメトリック最適化のフレームワークの確立を行い、多次元パラメトリック探索の新しいパラダイム設計を行った。また、理論の基盤となる超平面アレンジメントに対する組み合せ理論においても、新しい成果として、3次元のレベルの複雑度解析、およびkレベルのピークに関する高速かつ新規な探索手法を発見した。更に、パラメトリック最適化の量子計算モデルでの利用についても新しい見地を与えた。パラメトリック手法の応用としては、データマイニング、ディジタルハーフトーニング、及び画像切り出しに関する研究を行い、理論的成果、及び特にデータマイニングにおいては実装によるシステム構築研究も行った。これらの研究発表は、ACM計算理論国際会議,ACM計算幾何学国際会議、ACM-SIAM離散アルゴリズム国際会議、計算理論とアルゴリズム国際会議、SIAM Journal、ACM Transactionなど、理論計算機科学及びアルゴリズム分野において、高い国際的評価を持つ論文誌や国際会議で行われ、十分な成果であると評価される。また、国内外において多数の講演や研究発表を行った。 更に、画像処理アルゴリズムに関しても、パラメトリック最適化を用いた取り組みから生じたディスクレパンシー基準による大域丸め理論にたいして進展を与えた。 また、著作により、パラメトリック最適化を含む離散数学及び幾何学アルゴリズム技術の啓蒙にも努めている。
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