研究課題/領域番号 |
13680390
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
五十嵐 善英 群馬大学, 工学部, 教授 (60006260)
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研究分担者 |
茂木 和弘 群馬大学, 工学部, 助手 (00251124)
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キーワード | 情報セキュティ / 分散システム / 分散アルゴリズム / 多重パーティ計算 / 故障耐性 / 非同期共有メモリ / _<k->排他問題 / 相互排他問題 |
研究概要 |
前もって決まっている階層的なグループに属するノードをもつネットワーク上で、情報理論的に安全にメッセージを伝達する方式を提案した。この方式では各ノードにランダムに配布したカードを用いて、ネットワーク上の全域木を構成していく。上位のグループに属するノードから下位のグループに属するノードに秘密の情報を伝達するためには構成した全域木の枝に沿って情報を流して行く。この全域木では枝の両端のノード間に秘密ビットを共有するので、情報伝達のパス上のノード以外には秘密は洩れない。 また、非同期分散システムにおけるk-排他問題の2種類のアルゴリズムを提案した。これらのアルゴリズムは多重書込み/読込みタイプの共有メモリモデル上で設計されている。_<k->排他問題とは、同時に高々k人のユーザの共有資源の使用を許すプロトコルを設計することであり、_<k->排他の性質の他、_<k->ロックアウト回避の性質を持つことが要求される。_<k->ロックアウト回避とは、_<k-1>個までのプロセスの停止型故障が存在しても、健全なプロセスはロックアウトを起こさないという性質である。タイムスタンプを用いて、この問題を解く効率の良いアルゴリズムは提案されているが、タイムスタンプのサイズに上界のある並行タイムスタンプアルゴリズムは構造が複雑で実装が難しい。我々のアルゴリズムはタイムスタンプを用いていないが、多重読込み/書込みの共有変数を用いてるのが欠点である。 さらに、非同期分散システムの基本問題の一つである相互排他問題のベーカリーアルゴリズムを改良したアルゴリズムを提案した。我々のアルゴリズムでは使用するチケットには上界があり、アルゴリズムの構造は簡単で、ファーストイン ファースト サーブの性質を持つ。また、このアルゴリズムの時間計算量は使用者の数に関して線形である。
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