本研究は、ネットワークを有効利用するコンピユータグラフィックス(以下CGと略す)の応用技術の開発である。自然現象の視覚化シミユレーションなどの写実的(リアリスティック)表現、および感性を訴え易い非写実的(ノン・リアリスティック)表現を統合的に扱う技術開発は十分とは言えない。本研究では現実感のあるCG画像を生成する技法と、それとは逆に非写実的な画像によって感性や感情に訴える画像を生成する技法を統合したシステムを実現する。すなわち、次の研究項目、1)物理則に基づく写実的表現、2)非写実的表現、および3)Web-basedのインタラクティブなCGシステムの開発を実現する。 1)の物理則に基づく写実的表現に関しては、自然物の表現に注目されており申請者の地球大気の可視化、水中の光学的効果の論文を発表した。2)の非写実的表現に関して、形状の特徴を把握し易く表示するためには、スケッチ風の画像が好ましいことがある。このため、申請者は、テクニカルスケッチ風、ペンアンドインク風描画に関する論文を発表した。3)のインターネットを利用した会話型CGシステムに関して、形状モデルを表現するには、いくつかののパラメータが必要であり、これらをストレスなく設定できるシステムが望まれる。これらを実現するためJava言語を用いた複雑形状モデルの伝送・表示方法を開発した。 なお、これらの成果は、9件の研究会報告、3件の国際会議論文及び、1件の学会誌論文として発表した。
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