研究概要 |
オープンソースソフトウェアの増加や,プログラム再利用の進展にともない,プログラム理解の重要性は高まっている.大学の研究室のようなゆるやかな組織において,参加者に対する教育的効果も視野にいれた開かれたプログラム理解支援環境の構築が本研究の目的である. 本年度は昨年度の成果である理解支援ツールに機能拡張をおこない,「読み会」の結果を記録する機構を作成した.それには,昨年度の評価実験により,参加者の意志疎通の手段として優秀性を認識することができた「チャット」の会話ログを,ソースプログラムの画面に「読み会」の進行状況に対応する形で貼りつけることで実現する.これによって,プログラムリストに注釈が付加されたものを保存することが可能になり,後日の活用が非常に容易になる. 「プログラム読み会」実施による評価実験については,研究室で作成している他のソフトウェアプロジェクトのソースコードの理解のために日常的に利用している. また,完成したシステムをインターネットを通じて公開する計画であり,現在それにむけてシステムの細部を調整している.特に,システムの主要部がJava言語で記述してあるため,Java処理系の更新に対応する必要があった.
|