研究概要 |
ローテータグラフ,は,低い次数,小さな直径と平均距離という望ましい性質を備えた有向グラフであり,並列計算機の相互結合網の位相として,今後有望視されている.しかしながら,このグラフは近年発表されたために複雑な通信パタンに対しては,効率的なアルゴリズムが未発見であり,その普及が妨げられてきた.本研究では今年度以下の点を明らかにすることができた: 1 ローテータグラフに対して,1対多の互いに素な経路問題を次数の多項式時間で解く単純なアルゴリズムを新たに開発し,国際会議SNPD'02で発表した. 2 また,拡張したローテータグラフである(n, k)-ローテータグラフに対して1対1の互いに素な経路問題を次数の多項式時間で解くアルゴリズムを開発し,国際会議PDCAT2002で発表した. 3 ローテータグラフと類似なケイリーグラフの一種である,パンケーキグラフに対して,1対1の互いに素な経路問題を次数の多項式時間で解くアルゴリズムを開発して,論文誌に投稿し,採録が決定されている. 4 パンケーキグラフを拡張したグラフである,焦げたパンケーキグラフに対して,1対多の互いに素な経路問題を次数の多項式時間で解くアルゴリズムを開発し,研究会で報告した. 5 さらにケイリーグラフの1種であるトリバレントケイリーグラフにおいて,その除去がサイクルのないグラフを導出するような節点集合を定数時間で発見する手法を開発し,研究会および国際会議PRDC2002において発表した.
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