研究概要 |
最終年度に当たるため,従来の研究成果の応用に加えて,研究の取り纏めと成果報告を行った.まず,ローテータグラフ用に開発した節点から節点集合への互いに素な経路問題を次数の多項式オーダで解くアルゴリズムが,他のケイリーグラフにも適用可能なことを発見し,パンケーキグラフ,焦げたパンケーキグラフにおいても,この問題を解決することに成功した.また,節点間の内素な経路問題に対しては,グラフが,部分グラフの直和として構成されている場合,出発節点,目的節点の両方から,それぞれの部分グラフへ1本,あるいは2本の経路を構成して,部分グラフ中で経路を結んでやるという技法を開発した.これにより出発節点と目的節点との対称性を利用して,簡単な問題に帰着できるようになった.この手法を適用して,バブルソートグラフ,部分列反転グラフにおける2節点間の内素な経路問題を解決することができた.主要な研究テーマに取り組む際に得た知見から,いくつかの問題に対する解法を得ることができた.このうち,トリバレントケイリーグラフにおける最小フィードバックノード集合を示すことに成功し,研究成果としてまとめることができた.
|