研究概要 |
コンパイラの分野では,技術移転の容易なコンパイラ・インフラストラクチャを利用した先端アーキテクチャ向けの最適化や,SSA(静的単一代入)形式などの新しい内部表現への対応が切望されている.本研究では, (1)コンパイラ・インフラストラクチャの積極的な利用 (2)スーパースカラやVLIWなど先端アーキテクチャ向けの最適化コード生成手法 (3)SSA形式などの新しい内部表現に対応した最適化の手法 を中心としたコンパイラの新しい手法を開発する. 本研究期間内に次のような成果を得た. (1)科学技術振興調整費で作成されるコンパイラ・インフラストラクチャを利用して,通常形式からSSA形式への変換,SSA形式から通常形式への逆変換SSA最適化のプロトタイプを作成した(研究発表の5). (2)SSA形式を用いる進んだ最適化を行う手法を発表し(研究発表の2, 3),これをコンパイラ・インフラストラクチャを利用して実現するための検討を行った. (3)先端アーキテクチャであるIA-64に対し,プレディケイト付き命令を含む命令レベル並列化を最大限に発揮する,SSA形式を用いた最適化コードの生成手法を明らかにした(研究発表の7). (4)その他、上記の最適化やコード生成を行うための基礎となる,正規右辺文法に対するLALR構文解析器のアルゴリズム(研究発表の1),系統的デバッギングの研究(研究発表の8),メモリ管理機能の研究(研究発表の4),インタプリタ生成系の研究(研究発表の6)などを行った.
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