研究概要 |
本年度は,テクスチャをベーズとして2次元ベクトルフィールドの稠密な可視化法として知られているLIC(線積分畳み込み)法(Cabra1他:93)を3次元に拡張し,ボリュームレンダリングする際,ベクトルフィールドの特異点解析手法を利用して定められる重要度マップを参照しながら伝達関数を制御し,遮蔽度を極小化して,局在化する特異点周辺の関心領域の内部構造を以下の手順にしたがって適応的に可視化できる処理系を開発した. 1.ソリッドテクスチャリングを利用するMao他の方法を利用して,与えられた3次元ベクトル場からLICソリッドテクスチャを生成; 2.Hesselink他の位相解析法をベースに一時刻の(あるいは定常の)ベクトルボリュームフィールドの特異点を解析; 3.ステップ2の解析結果から3次元の重要度マップを生成し,それを参照しながら強調された伝達関数を自動生成; 4.ステップ3で生成された伝達関数を利用して,LICソリッドテクスチャをボリュームレンダリング;陰影計算には流線照明モデルを適用. さらに,上記ステップ1-4からなるアルゴリズムを,リアルタイムボリュームレンダリングボードを搭載するビジュアルPC上に実装し,128×128×128のサイズのベクトルボリュームのリアルタイムレンダリング環境を構築した.上記の処理系の動作は,米国オハイオ州立大学R.Crawfis準教授提供のプログラムにより生成された竜巻データ等への適用実験によって検証されている.
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