研究概要 |
本年度は,昨年度の開発成果をベースとして,4次元ベクトルフィールドボリュームデータマイニング環境を開発した.その概要は以下の4点にまとめられる. 1.スカラ場の位相骨格グラフの次元拡張によって,時系列方向の特異点,すなわち特異時刻(critical timing)を視覚的に特定する方法論T-mapを考案し,同環境の基礎に据えた. 2.4次元ベクトルフィールドをハードウェアベースのリアルタイムボリュームLICを介してコントラクション変換することにより,上記の環境を利用して臨界時刻を特定できる前処理法を開発した. 3.テラバイト級のデータを,位相変化を根拠として選択的にロードするようなデータマイグレーション(data migration)の概念を提唱し,ボリュームレンダリングアニメーションの伝達関数設計問題に適用して,その効果を検証した. 4.研究代表者が平成9年から特別招聘研究員として関わってきた,文部科学技術庁進行調整費「地球シミュレータ」システム向けの固体地球用並列有限要素解析プログラムGeoFEMによって数値シミュレーションされた断層形成,マントル対流,地震波伝播等の時系列ボリュームデータの可視化問題に適用することにより,提案環境の実用性を検証した.
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