研究概要 |
今年度の既存のOS(FreeBSD2. 2. 5)上で、OSの機能を切り離して動作するUtilisp処理系を構築した、具体的には、 1)実行時ライブラリ(libc. a, crt0. o)をリンクせずにコンパイル可能; 2)1)のオブジェクトに実行時ライブラリをリンクして実行可能; 3)実行時ライブラリの約半数を既存の物から事前の者二変更し実行可能; という各種の実験をし、その処理系を構築した。 また、裸のIBM-PCを用意し、その開発環境を整えた。特に、netbootを利用した遠隔起動環境を構築し、ホスト計算機上でコンパイルしたa. outオブジェクトを、ネットワークを通して裸のターゲット計算機上にロードし、自動的に実行する仕組みを用意した。このような環境は、元来、OSの構築に使われるものであるが、本研究では,OSの代わりに言語処理系を実行させる予定である。現在は、ターゲット計算機上でOSを仮定しない些細なプログラムを走行させることができる。 さらに、Unixのカーネル内で独立に作動するスレッド実行の仕組みを構築し、裸の計算機上でプログラムを走行されるための基礎実験を行った(「雑誌論文」を参照)。この仕組みを利用することにより、計算機の入出力装置をOSの介入なしに操作したり、OSのスケジューリングと無関係にプログラムを実行させたりすることが可能となった。
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