研究概要 |
確率微分方程式によって定義される確率過程(ブラウン運動)を用いて複雑な陰関数曲面をモデリング,可視化,分析するための手法である「確率過程サンプリング法」の開発研究を行なった.主要な研究成果は以下のとおりである. 1.非常に複雑な曲面を一様,高速にサンプリング,可視化する手法を確立した. 2.開いた曲面の高速・精密なサンプリング法,可視化法を確立した. 3.曲面の任意の部分を自由な形状で切り取る手法を開発した. 4.静止している2曲面の衝突部分を可視化する手法を開発した. 5.動いている2曲面の衝突形態を分析する手法を開発した. 6.確率過程サンプリング法に基づく効率的な並列分散処理のアルゴリズムを開発した. 成果1, 2に関して,国際ジャーナルComputers & Graphics誌に論文が掲載された.成果2〜5に関して,コンピューター・グラフィックスに関する権威ある国際会議であるEurographics 2001においてTechnical Paperが採択された.(論文はComputer Graphics Forum誌に掲載された).成果6に関しては,情報処理学会全国大会で報告され,また雑誌投稿用の論文を準備中である. また本研究を通じて,確率過程サンプリング法は,最近注目されている「点を基本形状とする3次元コンピュータグラフィックス」(精密性や形状の変形の自由度に優れる)との親和性が高いことが明らかになった(論文準備中).
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