研究概要 |
本研究の目的は,次世代のユーザインタフェースに関する誤り回復技法を確立することである.次世代のインタフェースに対するインタラクションの仕方としては,PDA,ペン,音声,ジェスチャー,視線などマルチモーダル入力/出力を研究対象にする. 成果1.誤りの視覚的探索による発見機構とツールの評価 操作対象のオブジェクトごとに関連するコマンド履歴をもたせる機構,およびオブジェクト間に制約のある場合の履歴処理アルゴリズムを実現した.さらに,この考えをもとに,作業領域のスナップショット列からなるアニメーション機構をユーザインタフェース開発環境に付け加えて,スナップショット中のオブジェクトを選択することによって関連コマンドを利用者が検索できるインタフェースツールを作成した. さらこのツールの視覚的探索の実験課題についてユーザビリティ(評価)テストを行い,このツールの有効性および視覚的探索パターンタイプを見つけることができた. 成果2.ネットワーク上の遠隔カメラ制御法と視覚的探索 2-1.ズーム情報によりパン・チルト量を変化させる適応型カメラ制御法 ズームイン・アウトで視界の動かしすぎや不足をなくするために,入力装置のズーム変位量に対しカメラのパン・チルト量を自動的に変化させる方法を実装および評価実験の結果,本手法の有効性が示された.なお,入力装置として,ジョイスティックのほうがボタン入力装置より有効なことを示した. 2-2.両手操作による表示領域指定カメラ制御法 予めカメラのズームやパン/チルト量を指定するカメラ制御に関して,画面上の指定領域にカメラを移動する方法を提案する.この方法の考え方は,ポインタで指定されたディスプレイ上の枠の位置にカメラを自動的に移動させる方法である.そのために,(1)ポインタ位置とカメラ進行方向,および(2)ポインタ間の距離とカメラ画角を比例近似させる.評価実験により,両手操作が片手操作に対して操作時間が短い仮説が有意であった.さらに伝送遅延のある場合,本手法が手動による操作より有効なことを示した.
|