研究概要 |
1.ドーム建築物などで生じる曲面を三角形トラスとして生成するための最適三角形メッシュ分割アルゴリズムの開発をおこなった。平面上の凸多角形領域の一様三角形メッシュ生成のアルゴリズムを,球面のみならず回転面や線織面などできるだけ一般的な曲面に拡張して,三角形メッシュの性能を理論的に保証するアルゴリズムを開発した。スタイナー点の数が所与の場合,三角形メッシュとして現れる線分の長さの最大値と最小値の比が6以下,辺の長さの下限値が所与の場合その比が2以下であることを理論的に証明することに成功した。また,上記の現れる線分の長さの最大値と最小恒の比を保証しつつ,対称な三角形メッシュを生成する方法についてもアルゴリズムを開発した。 2.建築物の二次元画像から直線,線分,長方形,および曲線分(パラメトリック曲線)等の幾何構造を抽出するアルゴリズムの開発の基礎となる直線,線分,長方形,曲線分のデジタル成分抽出アルゴリズムを開発した。建築画像からの曲線分抽出とその情報を用いて三次元モデル再構成アルゴリズムも開発した。 3.固有振動数や座屈荷重制約下での最小重量の建築構造物の設計のための最適化問題を定式化し、半正定値計画法にもとづく解を求める高速なアルゴリズムの開発をおこなった。また,与えられた問題の設計条件がある種の対称性を有する時,半正定値計画法によって得られる設計解は常に対称性を有することを理論的に明らかにした。また,いくつかの設計例を通して,解法の有効性も明らかにした。
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