研究概要 |
本年度は,リターゲッタブルコンパイラのG.723音声処理や画像処理等に対する適用・評価実験と,コンパイラの生成するコードの改良を行った.リターゲッタブルコンパイラに関しては,スケジューリングとスピルコード挿入の方法について重点的に検討を行った.データパス構成やバインディングの結果に関わらずコードスケジューリングができることを保障するスピルコード挿入法を開発し,かつ,できるだけスピルコードの量を減らすレジスタ制約解析のアルゴリズムを提案した.また,このリターゲッタブルコンパイラをもちいることにより,命令セットではなくデータパス構成を起点とするDSPの設計法を提案した.これらの開発と並行して,既存のG.723用DSPとそのいくつかのバリエーションに対する適用実験を行った.演算器の種類・数とその間のデータ転送経路を様々に変化させたものを起点として,DSPを合成するとともにそのデータパス構成に対するコードを生成し,回路規模と実行サイクル数の関係の分析が行えることを示した.
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